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代替肉と昆虫食で温暖化を防ぐ⁉今注目されているエコな食べ物とは。

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この記事のポイント

  • 世界の温室効果ガスの総排出量のうち、畜産業によるものが14%を占め、さらに牛によるものは畜産業の65%を占める。
  • マグロやウナギの完全養殖や、大豆などの植物原料から開発したいわゆる代替肉が注目されている。
  • 特に注目されているのは、体重の2倍程度のエサで生産され、栄養価も高く、飼育期間が短く、スペースも少なくて済むため効率が高いと言われる昆虫である。

某国の環境大臣が「毎日でもステーキが食べたい」と言って顰蹙を買ったこともあり、今や肉、特に牛肉を食べることが温室効果ガスの排出増に大いに貢献してしまうことは、環境業界人の間では共通認識になりつつあります。国連食糧農業機関(FAO)の発表によると、2013年の報告で世界の温室効果ガスの総排出量のうち、畜産業によるものが14%を占め、さらに牛によるものは畜産業の65%を占めるそうです。

代わりとなるたんぱく源の代表格の魚介類は、既に乱獲などのために資源量の管理が必要となるなど、無尽蔵ではないことは明確です。マグロやウナギの完全養殖が研究されるなど、新しい動きが注目されています。その他、大豆などの植物原料から開発したいわゆる代替肉が注目されているところです。従来から販売されていたものより味も食感も大幅に改良され、代替肉メーカーは売り上げを急激に伸ばしているようです(beyond meat, impossible meat)。マクドナルドは既に代替肉を用いたハンバーガーの販売を開始しています。

畜産業は、エサとしての穀物を生産、運搬し、糞尿の処理、食肉の長距離輸送により温室効果ガスを排出します。牛はゲップからメタンガスを排出することから、特に影響が大きいと言われています。

資源循環の観点からは、食品残さを豚のエサにしているケースが有名ですね。ただ、家畜は肉の10倍近くのエサを必要とするため、あまり効率が良いとは言えません。そこで最近注目されているのが、昆虫です。体重の2倍程度のエサで生産されるため、非常に資源効率がよく栄養価も高いということです。昆虫を食べるというと、抵抗がある方もいるかもしれません。リバー広報の女性陣の「いやーん、ムシさんを食べるなんて、そんなのムリィ!!」という黄色い悲鳴が聞こえてきそうです、が、ハチの幼虫やイナゴなどは昔から日本でも食用にされてきたことは有名です。コオロギは既にクッキーに加工されて国内でも市販されています。世界的にも昆虫食は珍しくなく、コガネムシ、イモムシ、ハチ、バッタ、セミ、シロアリ、トンボ、ハエなどが食されていて、風味も様々だそうです。

なかでもアメリカミズアブ(black soldier fly)の幼虫は多様な食品残さを食べることができるので注目されていて、アメリカでは実際にエサとして流通しているそうです。戦後まもなく国内に侵入、自然繁殖していますが、特定外来種には指定されていないため、仮に国内生産しても問題にはなりません。アフリカでは既にコロッケなどに加工されて人間の食用として提供しているところもあるそうです。

なんといっても、世界に冠たるフードロス大国ニッポンです。リデュースは必要ですが、それにも限界がありますので、効率的なリサイクルが求められます。堆肥化は季節によって需要が変動して安定しませんし、養豚場は臭気や騒音に配慮が必要ですので、都市部周辺では大量には処理できません。

昆虫であれば、飼育期間が短く、スペースも少なくて済むため効率が高いです。粉末状にすることで、保存性も高まります。

2020年9月16日には「蟲ソムリエ」を名乗る方が「おいしい昆虫記」という本を出版して話題となっています。もしかしたら、来年はエコでヘルシーな代替肉と昆虫食がブームになるかもしれませんよ。

 

(リバーグループ/メジャーヴィーナス・ジャパン株式会社 シニアコンサルタント・行政書士 堀口昌澄)

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