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気候変動対策に具体的な計画を。|動きを見せる「気候非常事態宣言」とは。

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この記事のポイント

  • 気候変動対策のための「気候非常事態宣言」が注目されている。
  • 気候変動について徹底した体制転換をすることで、気候変動対策を進めようというもの。
  • 抜本的な気候変動対策をするだけの覚悟と具体的な計画を伴った宣言が重要。

気候非常事態宣言

最近ではグレタさんの演説が注目され、今までにない台風災害が頻発する中、気候変動問題があらためて注目されていますが、これに先立つ2016年には気候変動に危機感を募らせたオーストラリアのある自治体が「気候非常事態宣言」を出しています。

一般的に「非常事態宣言」というと、災害や戦争などによる国家的な危機に際して、緊急事態として政府が特別法を発令されることになります。通常の手続きでは実施できない、警察や軍隊の動員や公共財の徴発、令状に基づかない逮捕などがありますが、現在日本国内には根拠法はありません。

一方で、法に基づかない非常事態宣言がされることもあり、気候非常事態宣言(CED:Climate emergency declaration)もその一つです。日本国内では認知度は低いですが、2016年のオーストラリアのDarebin市による宣言を皮切りに、国や地方自治体など世界20か国、1123もの公的機関が、最近では大学や企業などの非政府セクターも宣言しています。国としてはイギリス、カナダ、フランス、ポルトガル、アルゼンチンなど、自治体としてもロンドン、ニューヨーク、パリなどの欧米を中心に広がり始めています。特にイギリスやニュージーランドではCEDをした自治体内の人口が、その国の人口の70%を超えています。

CEDをした国や地方自治体のリスト>>

CEDをした非政府組織(企業や大学など)のリスト

日本国内においては、2019年9月25日に長崎県壱岐市が日本初、続いて同年10月4日に神奈川県鎌倉市が宣言したことで注目を集め始めています。

CEDの目的は、非常事態である戦時体制下では、他のすべてに優先して迅速で抜本的な体制転換を図るように、気候変動についても徹底した体制転換をすることで、気候変動対策を進めようというものです。非常事態であると宣言するからには、それを踏まえてどのような行動の変化を起こすのかが問われます。

今後国内でもCEDが広まる可能性はありますが、流行りだからといって横並びに安易な宣言をするのではなく、抜本的な気候変動対策をするだけの覚悟と具体的な計画を伴った宣言が広がることを期待しましょう。

(リバーグループ/メジャーヴィーナス・ジャパン株式会社 シニアコンサルタント・行政書士 堀口昌澄)

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