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ICTをフル活用した認定制度を!

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この記事のポイント

・食品リサイクル業者の監視が強化される中、未だに食品廃棄に関する事件が絶えない
・AIを活用した新しい廃棄物処理の仕組みなど、現実に即した解決策を模索すべき

CoCo壱番屋のビーフカツに代表される、廃棄食品の不正転売事件を覚えている方は多いでしょう。
ダイコーという処理業者が多くの食品工場、小売業界からの廃棄食品を横流し、再び市場に出回っていたということで、2016年の初頭はこの話題で持ちきりでした。

不正転売事件を受けて、環境省と農林水産省は国・自治体による食品リサイクル業者の監視強化を目的とし、立入検査マニュアルの改訂や職員への研修の充実、排出事業者の責任を改めて周知するチェックリストの整備などを行ってきました。転売防止が主目的だったとはいえ、食品リサイクル業者への監視は強化されていたはずです。
https://www.env.go.jp/press/104161.html

それにもかかわらず、名古屋市内の食品リサイクル業者による汚水の海洋排出を防ぐことができませんでした。
https://goo.gl/NDeG1p
https://goo.gl/wKgbS8

しかし、夜間の排水が基準値を超えていることを、昼間に行う立入検査で気づくことは不可能でしょう。
そろそろ、これまでとは違う許可、監視の仕組みを考えなければならないのではないでしょうか。

例えば、排水や排ガスなどの排出口にセンサーを設置し、その値を行政などの外部の第三者に送信、AIで常時監視する方法が考えられます。必要であれば、施設外の水路にも設置、臭気や振動のセンサーを敷地境界の主要ポイントに設置します。

また、場内の保管量を常時監視するための監視カメラを設置することもできます。送られてくるカメラの画像はAIで解析し、保管量だけでなく許可品目外のものを受け入れていないか、処理は滞っていないかなどを把握し、火災が発生した場合には自動で消防に通報、画像転送するなどの機能を持たせることもできます。

不法投棄の防止のためには、処理施設外への廃棄物の移動状況の把握も重要です。車両にGPSを搭載する方法もありますが、不法投棄する車両にGPSを搭載することを期待することはできません。

そこで、処理施設の出入り口のすべてに監視カメラを設置するのです。事前に登録した搬出先にも監視カメラを設置し、トラックスケールとも連動することで、当該処理施設から搬出先に確実に移動したことがわかります。

監視カメラの画像を解析し、車番、車両表示、運搬担当者、移動時間、荷物の状況などがわかりますので、マニフェストの返送管理も不要にできます。

AIの高度な学習機能を使えば、搬入出のバランスなどから不正転売の可能性が分かるでしょうし、処分業務が滞りなく行われていることも分かるでしょう。

これだけ施設の各所にセンサーとカメラを設置して、リアルタイムでAIが監視するというのであれば、ほぼ確実に適正処理・リサイクルされるはずです。そしてこの仕組みを導入した施設を国が認定し、契約書もマニフェストも免除するというのはどうでしょうか。

この免除により、排出事業者と処理業者の双方にとって管理業務が大幅に削減され、人手不足問題の軽減になります。結果的に処理業者の販促になりますので、制度化されれば一気に導入は進むはずです。
廃棄物処理法の目的である、適正処理を確保する効果も高いと考えられます。

経団連も掲げているSociety5.0は、デジタル革新社会であるとともに、サスティナビリティも志向しています。これに沿うのであれば、ICTによるイノベーションを通じたサスティナブルな資源循環型社会が求められているというべきでしょう。

上記はあくまでも一案ですが、業務の効率化と環境負荷の低減に寄与する、新しい廃棄物処理の仕組みを模索していくべきではないでしょうか。

(リバーグループ/メジャーヴィーナス・ジャパン株式会社 シニアコンサルタント・行政書士 堀口昌澄)

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