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不法投棄が起きる本当の理由とは?

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この記事のポイント

・非意図的に不法投棄が起きるときもある
・処理委託先の現地確認では、在庫量と経営状態を確認する必要がある

ほとんどの犯罪がそうであるように、不法投棄も基本的には金銭目的で行われるものです。
環境犯罪であると考えられることが多いですが、不法投棄の仕組みを理解するためにはむしろ経済犯罪だと考えたほうがよいかもしれません。
具体的には、不法投棄、または不適正処理をすることで、コストダウンをして儲けを出す犯罪なのです。
適正処理をするためには、人件費、施設、エネルギー、資材、時間などにより相応のコストがかかるところを、色々な形で手抜き(=不適正処理)をするわけです。

したがって『不法投棄はどうして起こるの?』という問いかけに対しては、「単に金儲けがしたかった」という単純な回答もできます。
しかし、非意図的に、不本意ながら不法投棄に至ってしまう場合もあるのです。
これはなぜなのでしょうか。

廃棄物処理業の特徴としては、売上が先に上がって、仕入れが後で発生します。
小売業も似ていますが、仕入れコストの調整は処理業のほうがしやすいことはお分かりいただけるでしょう。
特に中間処理の場合、決算をよく見せるため、資金繰りに行き詰った場合などに、最終処分先への委託(コストが発生)を先延ばしにするという対応をすることもあるはずです。
在庫が積みあがって置き場がないのに、無理やり産業廃棄物を受け入れて運転資金を調達することもあるでしょう。
他にも、最終処分先から荷受けの停止や制限、値上げがされていたり、人手不足で工場内の作業が滞ってるのに、売り上げを確保するためにそれまで通りに受け入れを継続すると、結局在庫の処理が追い付かずにパンクしてしまいます。

その他、既述の通り、適正処理のための、排水・汚水の処理と流出対策、排ガス・粉じん対策、悪臭・騒音・振動対策、土壌汚染の防止をするためには、設備投資とメンテナンス、薬剤購入と運転管理が必要です。
処理業者が「適正処理をしたい」とどんなに思ったとしても、経営に問題があるとこのような対策は後手後手になってしまいます。
つまり、意図的にコストダウンをするのではなく、会社を継続させ、社員を守るために、小さな手抜きを積み重ねて、最終的には大問題を引き起こしてしまった、そんなストーリーなのです。

このように、現地確認などで経営者や社員に直接会って、人柄がよく、信頼できる人だと思っても、不法投棄や不適正処理が起こってしまう可能性はあるのです。
特に、現在のように焼却、埋立コストが高騰している状況においては、中間処理業者の現場をしっかりと確認しておく必要があるでしょう。

(リバーグループ/メジャーヴィーナス・ジャパン株式会社 シニアコンサルタント・行政書士 堀口昌澄)

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