リサイクル市場動向

市場動向~2019年7月の鉄スクラップ・木くず

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このコーナーでは、リバーグループと取引先の各市場の関係者にご協力いただき、リサイクル市場の生の声をお伝えします。

鉄スクラップ

<国内>
鉄スクラップ市場は3ヵ月程度値下げが続いていたところ、月後半に入り荷動きは落ち着いた印象。安値修正(※)や荷制限(※)など強弱入り乱れてきているものの、湾岸地区での船積みは多くはなく問屋筋の手持ち在庫も薄い。そのため、市場での荷動きが悪く、上級屑の引き合いを強める(※)動きを見せているが新断(※)に関しては停滞状態が続いている。目先は夏季炉休を控える電気炉メーカーが多く、全体的にスクラップの需給の低調さがうかがえることから、相場は様子見にて推移するものと思われる。

<海外>
海外市場は東南アジア向けで若干の値戻しが見られるものの、隣国の電気炉メーカー(=中国・韓国・台湾)は国内の鉄鋼需給のバランスが思いのほか芳しくないため、日本玉(※)に対して成約価格を値上げしてまで引き合いを強めるとは考えにくい状況。また、関東及び関西の入札結果(※)が足元の価格より高価で成約されたことにより、価格の下げ止まり感が出ているものの、国別で温度差が出ている為、海外の電気炉メーカーも様子見の模様。

<用語解説>
※安値修正:比較的安く推移してきた価格が上昇に転ずること
※荷制限:電気炉メーカーが鉄スクラップの入荷を制限すること
※上級屑の引き合いを強める:品位の高い鉄スクラップを集めようとする動きが強いこと
※新断(しんたち):工場で発生する裁断くずで、品位が高く扱いやすい
※日本玉:日本産の鉄スクラップのこと
※入札結果:日本産のスクラップに対して海外電炉メーカー等からの入札結果。実際の出荷までには時間がかかるため、先物取引に近い。市場の先行きを読むうえで重要な指標。

(鉄担当 鈴徳 鈴木隆幸)

 

木くず

木くずの処理が滞っておりますので、日本ノボパン様から状況について情報提供いただきました。廃プラの処理が大変なこの時期に、木くずまで処理が滞っているというのは、神様のいたずらとしか思えません。廃プラと同じく可燃物ですが、木くずは腐敗リスクもありますので、処理委託先の状況については十分にお気を付けください。

全国の主要消費地である関東・関西地区に付いての状況です。

  1. 関東地区:同地区は大型ボイラーの故障や、各地の中規模ボイラーの定期修理が重なり、燃料チップの消費量が極端に低下している。一方、木くずの発生量はここ数年一定している為、多くのチップ業者は木くずを消化することが出来ず、受入れ制限をしており、この傾向は当分続く見込みである。
  2.  関西地区:昨年発生した北大阪地区の地震、西日本の集中豪雨被害、台風被害により木くずの発生量が急増し、現在までその処理が完了していない。一方でパーティクルボードメーカーの事故故障、製紙メーカーの事故が複数回発生した為、関東同様チップの消費量が減少、需給バランスが崩れ、1年以上供給過多の状態が続いている。年内はこの状態が解消しない状況である。

(木くず担当 日本ノボパン工業 大槻昭)

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