リサイクル市場動向

市場動向~2019年3月の鉄、非鉄

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このコーナーでは、リバーグループと取引先の各市場の関係者にご協力いただき、リサイクル市場の生の声をお伝えします。

今年から中国が全面的に雑品スクラップの輸入を停止しました。
いまだに動いているものはありますが、予断を許さない状況です。

鉄スクラップ

<国内>
国内の電気炉メーカーは、春分の日の営業を前に一部値上げをするなどして集荷を進めていたが、全般に在庫の確保が進み、荷制限・荷止めが行われるなどして需給が引き締まる(※)ほどではなかった。

<海外>

新規の輸出商談は、依然として割高な日本からの鉄スクラップに対しての引き合いは低調。現状での輸出業者の集荷は全般的に安値が切りあがって(※)おり、船積みを進めるにあたっては、周囲の電気炉メーカーの購入価格に沿った価格となっている。
海外需要家は、他国での調達を模索していると思われ、しばらくは様子見横ばい推移が続くものと思われる。
4月は、5月の大型連休に向けて国内電気炉メーカーの在庫確保の動きも見込まれ、輸出商談の契約単価には注意が必要だが、旺盛な国内需要にも支えられ市況は堅調に推移するものと思われる。

※用語解説

<需給が引き締まる>
需要に対して供給量に余裕がなくなり、相場が上昇すること。

<安値が切りあがる>
市場での取引金額には実際には幅があるところ、安値での取引額が徐々に上昇すること。

 

(鉄担当 鈴徳 鈴木隆幸)

非鉄スクラップ

非鉄相場は米中貿易問題や英国のEU離脱影響など、相場を押し下げそうな不安要素がいくつもあるが、LME在庫(※)の少なさが下支えしている状況。

上げ要因としては、FOMC(※)が年内の利上げを見送るなど先行きの景気減速への警戒感もあり、ドル安が進んだほか、株式が上昇したことは非鉄相場の追い風となった。

銅のファンダメンタルズは悪くなくテクニカル面(※)も改善しているが、もう一段相場を押し上げるには新たな強材料が必要である。

雑品スクラップ(銅を含有している)の市況は、弱含みで推移するLME価格に合わせ、3月上旬まで強基調で推移していた上げ要因が弱まっている。一部のシッパー(※)がマレーシア向けに輸出しているが、マレーシア国内の雑品解体が滞っている為、今後の引き合いは弱まるだろう。

国内では年度末発生などもあり比較的良いが、メーカーの買い気が非常に鈍くなっている。銅スクラップ全体で需給が緩み(※)、特に特号銅線(ピカ線)は、市場で余剰している感があり、銅建値(※)が下落すれば市中価格が大幅に下がると思われる。

 

※用語解説

<LME在庫>
ロンドンにある世界最大の非鉄金属専門の取引所をLMEという。この取引所の倉庫にある在庫量が非鉄価格に影響している。

<FOMC>
アメリカのFRB(中央銀行)の金融政策を決定する機関

<ファンダメンタルズ>
相場に影響を与える、経済全般や個別企業の活動、実際の需要の強さ

<テクニカル>
過去の相場の推移を分析、パターン化して相場を技術的に予測する手法

<シッパー>
shipper:輸出業者、船積み人、荷送り人。

<需給が緩み>
需要にたいして供給が十分にあるため、相場は下がる方向。

<銅建値>
国内で取引される精錬後の銅の基準価格。

 

(非鉄担当 鈴徳 茂木章弘)

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