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都市鉱山 眠れる宝の山を掘り起こせ!(その1)

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資源が乏しい島国の日本を、金属資源において、一躍、世界有数の資源国に押し上げた「都市鉱山」。
昨年からはこの宝の山を活用してオリンピックのメダルをつくる取り組みも行われ、
広く一般にもその存在が注目されるようになりました。
今回は、都市鉱山の現状と、有効活用について考えます。

「 都市鉱山からつくる! みんなのメダルプロジェクト」
あなたのスマホがオリンピックのメダルに!

家庭の押し入れや引き出しの中に眠っている、使わなくなった携帯電話や壊れてしまったデジタルカメラ。そんな使用済の小型家電を集めて、2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会のメダルをつくろうというのが『都市鉱山からつくる! みんなのメダルプロジェクト』です。
メダルの製造個数は金・銀・銅それぞれ約1650個、合計5000個分を想定。ロンドン大会のメダルを参考にすると、必要となる金属の量は、金10kg、銀1233kg、銅736kgになります。

たとえば携帯電話の場合、機種や性能、製造した時代によって使われている金属量は異なりますが、ガラケーなら100台で3gの金を取り出すことができるという試算があります。金メダルは、銀でつくった土台に少なくとも6gの純金を張るか、メッキを施すことが決められているため、金メダル1個に必要な金の量はガラケーで0台分ということになります。デザインが未定であることや、製造時の歩留などを考慮するため、実際にはその約4倍が必要量となります。

金をガラケーですべて賄うなら130万台という少し気の遠くなるような数になりますが、1年間に1750万台もの携帯電話が市場に出荷されていることを考えるとそう難しいことではないようです。

小型家電には金・銀・銅以外にも、「レアメタル」と呼ばれる希少な金属が使われています。日本では年間約65万tもの小型家電が廃棄されますが、およそ844億円分の貴重な金属が含まれているともいわれています。この「都市鉱山」を有効に活用していくことが持続可能な社会の実現に欠かせません。
2013年からは、使用済の小型電子機器などを再資源化するための「小型家電リサイクル法」がスタートしましたが、新聞紙やペットボトルのようにリサイクルが浸透するところまではまだまだ至っていません。今回のプロジェクトでは、国民がオリンピックのメダルづくりに参加することにより、使用済小型家電の再資源化の仕組みを定着させていくことが重要な目的でもあります。
このプロジェクトは2019年の春まで行われる予定です。回収の方法は、上記の「ボックス回収」「宅配回収」「拠点回収」のほか、イベントなどでも行っています。この機会に、家の中の使用済小型家電を集めて、プロジェクトに参加してみてはいかがでしょうか。

監修 原田幸明
特定国立研究開発法人 物質・材料研究機構 名誉研究員/一般社団法人サステイナビリティ技術設計機構 代表理事


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