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炎のファンタジスタ ガス切りの達人

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匠のスゴ技 ガス切りの達人編

鉄板に当たってはじける炎。
後方に火花をまき散らしながら分厚い鉄が切り裂かれていく。
ガス切りは常に危険と隣り合わせの荒々しい作業。
だからこそ、慎重に、繊細に──
匠は、五感を研ぎ澄ませて火を操る。

 

今回の”匠”

神宮志大
ガス切り歴12年の45歳。千葉営業所きってのオールマイティな人材との呼び声が高い。今までで一番うれしかったのは、新人の頃、ガス切りを教えてくれたボスに褒められたとき。今はその上司の立場で、新人に真っ先に危険について教え、うまくできれば褒めている自分がいる。プライベートでは、半年前に後輩と始めた自転車に熱中。当面の目標は、箱根の山登り。


炎のファンタジスタによる鉄アート

ガス切りには「炎で鋼材を焼き切る」イメージがありますが、実は違います。
ガスバーナーの先端から出ているのは炎だけではなく、その内側で酸素ガスが勢いよく噴き出しています。
切断する部分をプロパンガスの炎で熱すると同時、酸素噴流を吹き付け、鋼と酸素とが起こす酸化反応のエネルギーで溶かした鋼材を、高圧の酸素噴流で吹き飛ばしているのです。
直線・曲線を問わず、巨大な鉄骨でも、複雑な形をした設備機械でも切断することができます。

(株)鈴徳・千葉営業所の主力施設は巨大なギロチンシャー。
パイプや建材など、長さのあるものを一定の大きさに切断します。ギロチンに収まらない廃材を“ギロサイズ”に切り分けたり、溶鉱炉に入るサイズにカットするのがガス切りの重要な役割。匠はこれまでに、25tもあるクレーンのガーターや15tの設備機械を切断した経験豊かな技術者。今回はその華麗なテクニックで、厚さ6㎝の分厚い鋼板から、会社のロゴを切り出します。

ヘルメットに赤外線カットのゴーグル、ガスや粉じんの吸引を防ぐマスク、分厚いグローブに安全靴という重装備で作業開始。鋼板の材質や厚さにより、炎の大きさやガス圧を調整。火口を板にくっつけると爆発を起こす危険性があるため、火口と板に適度な距離を保つように態勢を整え、文字の輪郭に沿ってゆっくりと炎を滑らせていく。
焼けたばかりの切断面が、明るい銀色に輝き出す。

一カ所にかける時間が少なかったりガス圧が低かったりすると、板は完全には切れない。ゆっくり過ぎてもシャープな切り口にならない。すべては経験で培った勘。
ロゴマークを外枠から切ってしまうと、すべて抜け落ちて中を切り抜けなくなるので、内側をくりぬいてから外側をカット。
切りたてほやほやのロゴに水をかけてクールダウン。

匠が見事に切り抜いたスズトクのロゴ。赤銅色の鋼板を縁取る銀色がクール。見よ、この美しい切り口!

常に危険と隣り合わせのガス切り

やけど、ガスの吸引、炎が発する赤外線による目の損傷、ガスホースへの引火やプロパンガスと溶けた金属の接触による爆発…ガス切りは常に危険と隣り合わせ。だからこそ、機器の取り扱いや作業中の一挙手一投足に細心の注意が必要。

身長ほどもあるスパイラル鋼管を切断する匠。円柱の切断面は、重圧で外側にせり出してくる。これをはじかせないようにうまく制御しながら切り進める。


片側を切り終えたら、反対側をカット。徐々に自重でひしゃげてくる鋼管。最後の部分を切り終えた瞬間に、ドスンと大きな音を立てて上半分が落下した。足に落ちたら大けがをするため、匠は立ち位置を計算しながら作業していた。



今回の匠のいる工場

株式会社 鈴徳・千葉営業所

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