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復職できる準備が整ったら活躍して欲しい。|循環型社会の実現に向けてリユース・リサイクル事業を行う企業が取り組む子育て支援とは。

2020年03月23日

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女性が働くことが推奨される風潮は、日本の労働人口推移から見ても、今後ますます高まっていくことが考えられます。

しかし現実と理想は、異なることが多いもの。出産を終えた多くの女性が、子どもの急な発熱やケガなど「子育てと仕事の両立」について、考えることが多いのではないでしょうか。

そんな中、働きたいのに働けない従業員が安心して働ける環境をつくるために、様々な取り組みにチャレンジしているのが、埼玉県東松山市にある、株式会社浜屋 です。浜屋は、社会で使われている様々な製品を回収して、まだ使えるものは可能な限り再利用するリユース・リサイクル事業を主力とし、国内16拠点と海外子会社を中心に事業展開している企業です。

採用するものの、結婚、出産で退職の繰り返しに

浜屋は、2006年から新卒採用を開始し、毎年3~4名程の定期採用を行っていました。
「採用した女性従業員が、次々と結婚をしていきましたので、今後出産のため育休・産休に入っていくであろうことは容易に想像でき、優秀な従業員が抜けていくことに危機感を覚えた」と、代表の小林茂さんは言います。

育休後に復帰するための環境が整わないことにより、本人に働きたい意思があるのに辞めざる負えない状況になってしまうのは非常にもったいないですし、優秀な従業員を手放さなければいけないのは会社にとっても大きな損失です。

 

2017年、保育園の待機児童問題が話題に

「今年もダメでした」従業員からのこのような連絡を受けることもあり、保育園を作れば、働きたいと思っている従業員が辞めないで済むのかな、そう思うようになったんです。

そんな中、従業員からの提案もあり、2017年6月に保育園の検討を開始し、様々な保育園の種類がある中で「企業主導型保育事業所」の存在を知りました。


企業主導型保育事業とは

2016年から始まった、事業所内・または事業所の近くでの保育所」の設置を国が支援する制度のこと。企業が自社従業員のために保育所を開設する際に、整備費の3/4の助成金が国から交付される。複数企業による共同設置・共同利用も可能。

企業主導型保育所について調べてみると、申請期間が8月17日から9月29日の間に申請とありました。なんと申請締め切りまで約3ヵ月。助成金の申請をするには建設予定地を確保し、設計図面も固め建築会社からの見積りを入手し、それらの書類を添付して申請する必要があったのです。

また、応募数が非常に多く次の募集は未定との情報もあり、9月29日までに申請を間に合わせるほかありませんでした。間に合うかどうかギリギリの所でしたが、小林さんは決断し、すぐに土地探しに着手しました。

時間は3カ月しかありません。8月中に図面を固め、建築会社に見積りを依頼できる状態にする必要があったので、設計事務所を探すのと同時に自分たちで図面を起こし、要望を詳細にまとめていきました。設計事務所については、スタッフがインターネットなどを駆使して、秩父市にある個人の設計事務所を見つけることができました。設計士さんと密に連携を取り、そして、建築会社からの見積りもいただくことができ締め切り最終日の9月29日に申請が受理されました。

実はこの保育事業を進めるにあたって、プロジェクトのリーダーを務めたのが、新卒入社3年目の女性従業員で、自身も出産・子育てを経て復帰して活躍している方なんです。立ち上げに関わり、自身は産休に入るので、その役割を別の方にバトンタッチ。その方もちょうど昨日、お子さんが生まれたみたいですよ。浜屋では、これまでに2人預けて復帰しており、今年はあと2人復帰してくる予定です。この保育所は、従業員は最優先で預けることができるんです。そして、他の企業でも浜屋と提携すれば利用することができます。

子育て支援を目的に、特別有給休暇を年間で20日間多く付与

浜屋では、2019年7月に、出産した方に対して、小学3年生になるまで、特別有給休暇を年間12日~20日(条件による)別途付与するという制度が作られました。 目的は子育て支援なので本人のプライベートのことでは利用できないという制限はありますが、急な発熱や、イベントへの参加などで、この特別有給休暇を使用することができるというものです。

これまで、産休を取得後、そのまま退職というケースがあったのですが、そういった方達は、仕事を続けたいという要望が多くありました。従業員が働きやすい環境にするためにはどうすれば良いかを考えている時に、子育て支援のことを思いついたんです。

子どもができるまでは夜遅くまで仕事をしたり、休みが少ないことを気にしていなかった方も、子どもができると意識は大きく変わるんですね。お母さんは子供の近くにいたい。会社としては、例えば子どもが熱を出してしまった時には従業員に気兼ねなく休んで貰いたいんです。

国で定められている育休は、2017年の10月より、延長期間が半年から1年へと変わり、条件を満たせば最長2年までの育児休暇を申請できるようになりました。浜屋では、2人目を妊娠し、そのまま延長している方もいるそうです。復帰後に、どの時間帯で働くかは、会社と従業員との話し合いの元で決められていきます。

子どもが生まれて10年位は子育てを大事にしたいと思う方が多いんじゃないですか?それは子どもにとって大切なことだから、会社としても応援したい。そして10年後、また働いて貰えればそれで良いんです。

浜屋が考える「良い会社」とは?

今後、会社として目指している姿は「従業員にとって良い会社」であり続けるということです。「良い会社」というと人によって定義があるので非常に難しいですが、皆がやりがいを持っていきいき働ける環境を目指しています。子育て支援施策は、さまざまな取り組みのひとつです。そして、収益と福利厚生の充実は、バランスを考えないと継続できない。従業員の声に耳を傾け、いろんな部署の人たちを巻き込みながら進めていく必要があると思っています。

一度入社して貰った縁を大切にしたい。そう思う一心で子育て支援の取り組みにチャレンジしている小林さん。保育園は、会社から車で3分の距離にあり、何かあったらすぐかけつけられるようになっています。取材に伺ったその日も、保育事業の立ち上げに関わった方の子どもが怪我をした、と連絡があったそうで、子どもの容態を常に気にかけていました。

働きたいのに働けない。そんな問題が目の前に起きた時に、会社としてどんなアクションを取るべきか。創業28年目を迎える浜屋は、確実に実績を積み上げながらも、その中心にいる従業員の姿を忘れずに、問題の解決に向けたアクションを常に取り挑戦し続けています。そしてそのとなりには、無邪気に遊ぶ、子どもたちの姿がありました。

株式会社浜屋のWebサイトはこちら>>

 

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